障害は個性
2019-12-20
とあるグループホームでの事例をご紹介します。
あるところにAさんという方がいらっしゃいました。
Aさんはここのところ不調が続き、日中活動を通うことができませんでした。
所属支援者の方のフォローもありながら、
通院をすることも「今日は調子が悪くて・・・」と、難しい状況でした。
一緒に向かうので受診しましょうとお約束をしても、なかなか予定通りいきません。
しかし、このまま受診をしなかったら、お薬がなくなってしまいます。
お薬を飲まないとますます具合が悪くなってしまいますので、非常に心配でした。
滞っている支払いがありましたので、なんとか一緒に外へ出ます。
お部屋へ迎えに行ったところ、表情から具合が良くないのが見て取れます。
お食事はきちんと世話人室で召し上がり、栄養面では特に問題なさそうです。
しかし、心の不安定さはお医者様に診ていただくことが最善です。
一緒に歩いて滞っていた物の支払いを済ませ、かかりつけ医のところへ向かいました。
担当のお医者様はとても優しく対応して下さっていました。
診療を終え、お薬を処方していただいていた時、待合室でAさんととある会話をしました。
「これってどんな病気なんですか?どうしたら治るんですかね?」
私はこうお答えしました。
「それは病気ではなくて、Aさんの生まれつきの個性なんですよ。」
Aさんには周囲に支援者さんがたくさんいます。
面立ちも優しそうで実年齢よりもずっと若く見える素敵なAさん。
いつも自炊したい、車の免許を取りたいなどお話してくれます。
しかし、そういったご自身のなりたい姿にはどうしたらなれるのか?、ずっと不安で、わからないでいるのです。
支援者として、どうしたらこの不安を取り除くことができるのか、試行錯誤をしています。
この日は一緒に行動することができ、最後は笑顔でバイバイと手を振ってくださいました。
無事自宅に戻られたと世話人さんからも連絡を頂きホッとしました。
どうかAさんの思い描く未来がやってきますようにと願わずにはいられない気持ちになったある日の午後でした。